モッタイナイキッチン TOP > WAKERU NEWS NETWORK > 世界では、どんなことが起きている?食品ロス削減に関する最新の動きを知ろう

Wakeup news network

世界では、どんなことが起きている?食品ロス削減に関する最新の動きを知ろう

■食品ロスの問題点と、解決に向けた動き

世界共通の社会課題である食品ロス。まだ食べられる食料が捨てられる食品ロスは、さまざまな問題をはらんでいます。たとえば、食料が捨てられる一方で、6億9,000万人といわれる飢えに苦しむ人に必要な食料が行き渡らないこと。廃棄するごみが増え、ごみ処理にコストがかかったり環境に負荷がかかったりすること。生産や流通にかかった手間やコストが無駄になってしまうこと…。

そうした複雑な問題を解決するために、世界が国や地域を超えて連携する動きが加速しています。そこで今回は、食品ロス削減に向けた最新の動きについて、グローバルな視点からご紹介します。

■SDGs12.3を達成するための世界の動き

国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)は、「誰一人取り残さない」社会を目指し、2030年までに達成するために掲げられた世界共通の目標です。17の目標と169のターゲットで構成され、そのうちの目標12「つくる責任 つかう責任」に掲げられた具体的なターゲット11項目のうち、第3項目(12.3)に「2030年までに食品の廃棄を半減させる」というゴールが設定されています。

この目標の達成にむけて、国連は2019年12月の国連総会で、毎年9月29日を「食品ロス・廃棄啓発のための国際デー」に定めました。そして今年、初めての記念日を迎え、世界中でさまざまな啓発活動が行われました。特にヨーロッパでは、この記念日を歓迎する機運が高まりました。というのもヨーロッパでは、EUの政策執行機関にあたる欧州委員会が、持続可能性に重点を置く食品産業政策「Farm to Fork(農場から食卓まで)戦略」を今年5月に発表したばかり。この戦略では、食品ロスの削減も重要な取り組みのひとつに掲げられているのです。そうした背景から、EU加盟の多くの国が、今回の記念日に合わせて啓発キャンペーンやワークショップ、オンラインによるセミナーや情報発信、調査などを広く展開しました。
SDGsの目標12.3の実現に向けては、企業間でも積極的な取り組みが行われています。たとえば、世界70カ国約400社の小売・製造大手が加盟する業界団体「コンシューマー・グッズ・フォーラム(CGF)による新しい動きです。CGFでは今年8月、世界の小売業者・製造業者14社による食品ロス削減に向けた実行連合を立ち上げました。参加するのは、ケロッグ、ネスレ、ウォルマートなど食品関連のグローバル企業。食品廃棄物の測定と報告など具体的な取り組みを実行し、2030年までに食品ロスを削減させることを目標にしています。
ところで、食品ロス関連で最近大きな注目を集めた話題といえば、世界食糧計画(WFP)が2020年のノーベル平和賞に選ばれたことではないでしょうか。WFPは、飢餓をなくすために活動する国連唯一の食料支援機関で、昨年は88カ国で9700万人に食料支援を行いました。特に今年は、新型コロナウイルスの影響で飢餓に苦しむ人が急増。武力紛争や気候変動の影響も大きく、そうした地域の人々へ危険や困難を伴いながらも食料を支援し続けています。またWFPでは、開発途上国での収穫物の適切な保存・管理技術や市場参入方法などを通した収穫後の食品ロス削減、先進国では食品ロス削減に関する取り組みをSNSで投稿すると途上国に寄付が送られるキャンペーンを展開するなど、飢餓と食品ロスを同時に低減させる取り組みも行っています。

■WFPの食料支援量よりも、日本の食料廃棄量の方が多いという現実

ところで、WFPが1年間で支援している食料は約420万トンといわれています。一方で、日本で1年間に捨てられる食料は約612万トン。WFPが支援する量の、実に1.5倍もの食料を日本では廃棄しています。

この問題を解決するために施行された法律が、日本には2つあります。1つは、2001年に施行された食品リサイクル法。この法律では食品関連事業者を対象に、食品循環資源の再利用などを促進する事項が挙げられています。そして2019年に施行された新しい法律が、食品ロス削減推進法です。この法律によって、食品ロス削減に取り組むことは、国や自治体、事業者に責務があるだけでなく、私たち消費者も役割を果たす責務があることが明示されました。
では、私たち消費者はどんなことから食品ロス削減に向けた取り組みを始めればよいでしょうか。その第一歩は、食品ロスの現状と、削減の必要性を知ることです。日本人1人あたりお茶碗1杯分の食料を毎日捨てている一方で、全世界で9人に1人が飢えに苦しんでいるという現実。何とかしたい! と思ったその日が、行動を起こす日です。
たとえば食料を買いに行く時、事前に家の在庫をチェックして買い過ぎないようにすること。食材は適切に保存・管理して、使いきるようにすること。食材の食べられる部分はできるだけ無駄にしないこと。外食やテイクアウトでは食べきれる量を注文すること…。どれも、思い立ったらすぐに始められることばかりです。もちろん、ご自身の食生活にフィットするようなオリジナルのアイデアを実践してみるのもよいですね。無理なく継続できる取り組みを日々の暮らしの中に取り入れ、1人1人が食品ロスと向き合う社会につなげていきましょう。

pagetop