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加工食品や調味料の賞味期限が長くなっているって本当?

小売店に並んでいる食品の賞味期限に変化が起こっています!

スーパー等で常温保存ができる食品や調味料を購入する際、賞味期限を確認してからカゴに入れる方は多いと思いますが、実はその賞味期限、ここ数年で変化していることをご存じですか? 今、さまざまな食品メーカーが商品の賞味期限を延ばす取り組みを行っています。食品の賞味期限が延びることで期限内にその食品を食べきる可能性が高まり、家庭内で起こる賞味期限切れによる廃棄の削減に貢献できると考えられています。今回は、そうした取り組みを実施している2つの食品メーカーを紹介しましょう。

おなじみのマヨネーズの賞味期限が2ヵ月間延長に。

まず紹介するのは、キユーピー株式会社の主力商品である「キユーピー マヨネーズ」の一部容量(50g、130g、200g、350g、450g)と「キユーピーハーフ」の全容量(210g、300g、400g)の賞味期限について。2016年より、従来の10ヵ月から2ヵ月間延長して12ヵ月となりました。
そもそも「キユーピー マヨネーズ」は傷みにくい食品です。その理由にマヨネーズの原料が挙げられます。原料の大部分は、卵、植物油、酢そして塩。特に細菌の繁殖を抑える酢や塩が入っており、卵も加熱殺菌されたものを使用していることから細菌が繁殖しにくく、保存料を添加しなくても腐ったり傷んだりしにくい食品といえます。

しかしマヨネーズを長期保存していると、製品の中に入っている酸素が影響し、酸化などで品質が低下してしまいます。そのためキユーピーでは、製品中に酸素を極力取り込まないための改良を長年続けてきました。たとえば、1926年に真空ミキサーを導入し原料撹拌中に空気が含まれるのを防止したこと。1972年に酸素透過性の低いプラスチックの多層構造容器を採用したことなどです。
さらに「キユーピー マヨネーズ」は、2002年から原料中の酸素を取り除く「おいしさロングラン製法」を採用し、今回製造工程中の酸素レベルを下げる取り組みを加えたことで賞味期限が延長できることを確認しました。また、「キユーピーハーフ」については、配合の変更により品質が向上・安定したことで、賞味期限が延長できることを確認しました。こうして、キユーピーの主力2製品の賞味期限2ヵ月延長が実現できたのです。
他にもキユーピーでは、開封後もおいしく食べきるために容量の最適化を検討するなど、技術開発や商品開発の両面からフードロスの削減に貢献する取り組みを続けています。

年月日表示から年月表示にして賞味期限を延長。

次に紹介するのは、「ほんだし」や「クックドゥ」シリーズでおなじみの味の素株式会社の例です。味の素では、賞味期間が1年以上の家庭用製品(調味料・加工食品・甘味料)を対象に、期限の表示を年月日表示から年月表示に改めるとともに、賞味期間を延長しました。2017年に試験的に3品を年月表示に変更した後に順次変更を進め、2018年秋をもって、新製品を含め対象商品約190品を年月表示に改めました。

年月表示に変更するにあたり、味の素では対象商品の1品1品に対して検証を行いました。検証のポイントとなったのは、製品の品質を損なわずに賞味期間を1ヵ月以上延長できるかどうか、という点です。たとえば上記の画像を例にしましょう。年月日表示で「賞味期限2018年6月19日」とされている製品を単純に年月表示に改めると、6月20日以降の品質が担保されていないため賞味期限は「2018年5月」と短くなってしまいます。そのため、6月20日以降も品質を維持したまま賞味期限が延長できるかどうか検証を行い、その結果として約190品の延長が実現したのです。

また賞味期限の年月表示は、一般消費者にとって賞味期間が長くなるというメリット以外にも大きな利点がありました。それは、物流の効率化に貢献するということです。たとえば、物流の倉庫や小売店で製品を保管する際は、賞味期限が短い順に先入れ・先出しが行われますが、その管理を1日単位から月単位で行うことが可能になり、作業の効率化につながりました。また製品は賞味期限ごとに保管場所を分けて管理する場合が多いのですが、こちらも月単位で管理することが可能になったため、従来よりも少ないスペースでの保管が可能になり、オペレーションの簡素化にも貢献することができました。トラックドライバーや倉庫作業従事者の人材不足による業務効率化が叫ばれる物流の現場において、賞味期限の年月表示は課題解決の一助を担う取り組みとなりました。

食品流通業界と消費者が一体となって、日本全体の食品ロス削減を目指す。

味の素がこうした取り組みを始めるきっかけとなったのは、経済産業省や農林水産省が主導する食品流通業界の商慣習見直し・食品ロス削減等を検討する協議会等への参画でした。

食品流通業界には「3分の1ルール」という商慣習があります。食品の賞味期限を3分割し、製造日から3分の1の時点までを「納入期限」、次の3分の1の時点までを「販売期限」とし、それらの期限を過ぎた製品は納入や販売の機会が失われ、賞味期限前に廃棄されるケースが多いというものです。このルールが、日本の食品ロスの量を引き上げている一因ともいわれています。
現在、このルール(商慣習)の緩和に向けて官公庁主導の協議会等で検討が進められていますが、実はこのルールが生まれた背景には、私たち消費者の購買に対する行動や意識が影響していたとも考えられています。たとえば小売店で賞味期間の長い加工食品を買う場合でも、同じ製品の中から、賞味期限が短いものより長いものをあえて選んで購入していませんか? 私たちのこうした行動や意識に変化が起こり、一定の賞味期間のある加工食品であれば賞味期限が短いものから消費が進むことにより、3分の1ルールの緩和もしやすくなるのではないか、と考えられています。長らく問題視されてきた商慣習の見直しは、食品メーカー、中間流通・卸、小売の連携による取り組みだけでなく、一般消費者まで一体となった意識改革が大切。そうすることで、家庭内のみならず、日本全体の食品ロスの削減が期待できそうです。

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