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魚のアラを有効活用! 石巻の「あら~麺」が人気です。

■捨てたらモッタイナイ! 魚のアラが激ウマ料理に変身!!

 突然ですが、魚の2枚おろし、3枚おろしをした後に残る頭・骨・尾など、いわゆる「アラ」の部分を、皆さんは活用していますか? 「食べる部分以外は捨ててしまう」という方は多いのではないでしょうか。しかし、魚のアラを捨てるなんてモッタイナイ!! 魚のアラは、立派な“食材”として活用することができるんです! その活用法をリサーチしに、水産業が盛んな宮城県石巻市に行ってきました。

■石巻の元気を全国に発信する「いしのまき元気いちば」

「いしのまき元気いちば」の館内では、物販や飲食の他に季節折々のイベントが開かれ、賑わいづくりや交流拠点としての役割も果たしています

向かった先は、石巻市の中心部にある「いしのまき元気いちば」(以下、元気いちば)。旧北上川沿いにあり、川を隔てた中州には街のランドマーク的存在である「石ノ森萬画館」が見える立地にあります。

元気いちばは、東日本大震災の復興途上にある石巻市から“元気”を発信するとして、石巻市の自治体や地元企業、地元料理店等の協力を得て2017年にオープンしました。館内の1階は鮮魚、水産加工品、農産品、焼きたてパン、震災復興応援地域の特産品等を販売する物販コーナー、2階は約140席のフードコート「元気食堂」があり、食堂では近海で水揚げされた魚介類、地元産の農産物・畜産物等を使った料理が食べられます。

2階の「元気食堂」は窓が大きく明るい雰囲気。旧北上川に面した心地よいテラス席もあります

1階の市場で購入できる食品と2階の食堂で食べられるメニューの内容には、つながりがあります。たとえば、食堂で提供する「うにクリームパスタ」のうにを市場で販売していたり、市場で販売するドレッシングを食堂で味わったりすることができます。食堂で食べた食材を市場で購入してお土産にしたり、逆にお土産で購入した食材の調理の仕方を食堂で知ることができたりと、物販と飲食が一体となることで、館内全体が石巻の食材の効果的なPRの場として機能しています。

■震災復興の中で生まれたご当地“モッタイナイ”ラーメン

今回の取材の目的である魚のアラを使ったメニューは、2階の「元気食堂」で提供している「あら~麺」(700円)です。透明感のあるスープに中細のちぢれ麺、具には港町・石巻らしく、ふのり、わかめ、タラのフライ等がのっています。一瞬、一体どこに魚のアラが隠れているのか…と思いますが、魚のアラはスープのダシとして活用されています。
「『あら~麺』が誕生するきっかけは、実は元気いちばがオープンするよりもずっと前になるんです」と経緯を教えてくれたのは、元気いちばのマネージャーである米澤耕也さんです。東日本大震災の後、料理人、職人、サービス職の方々が被災地支援活動を行う「東京料理ボランティアの会」が、石巻市で定期的に復興支援活動を行っていました。そんな中、ボランティアメンバーの1人であったラーメンの名店『麺屋武蔵』の社長が、後に元気いちばを立ち上げるスタッフに「一緒に石巻らしさのある新しいラーメンを作ろう」と声をかけてくださったのです。
『麺屋武蔵』監修のもとで生まれた「あら~麺」の大きな特徴は、水産加工業が盛んな石巻では“産業廃棄物”とされてしまう魚のアラでスープを炊くことで、石巻らしさを表現したことです。しかも、魚介系スープと動物系スープのダブルスープが特徴の『麺屋武蔵』の特色を踏襲し、「あら~麺」も鶏ガラメインの動物系スープと合わせたダブルスープで構成。仕上げに「追いアラ」を加えることで、魚の風味がより活きたスープになりました。
完成した「あら~麺」は、あっさりと上品な魚介のうまみが、鶏ガラスープのやさしいコクで引き立つ絶妙な味わい。老若男女を問わず多くのお客さんに受け、多い時は1日200食も販売するとのこと。今や食堂の人気メニューに成長しました。
「今年の春にリニューアルしてからますます美味しくなり、オーダーするお客さんが増えました。『麺屋武蔵』さんにラーメンの人気ぶりを伝えたら、“もっと次をやってみよう”と嬉しい言葉をいただきました。今後は『あら~麺』のバージョンアップや、新しいラーメンメニューづくりも検討したいですね」と米澤さんは話しています。

■家庭で魚のアラを有効活用するコツを教えてもらいました!

「あら~麺」で使われる魚のアラは、タイ、メバル、ソイ、吉次、スズキなどさまざま。季節によって魚種が変わり、魚によって風味の特徴が異なるため、スープの炊き方を微調整して味の仕上がりが毎日均一になるようにしています

「あら~麺」のスープはとても上品で、臭みがありません。その秘密は、仕込み前の丁寧な下処理にあるとのこと。スープを炊く前に、アラについた血合いや汚れ、残ったうろこなどを、水洗いでしっかり取り除くことに時間をかけているそうです。それから強火で半日程度炊き上げると、魚のアラスープが完成します。
家庭でアラを使う場合も、スープを取るのがおすすめとのこと。定番のアラ汁はもちろん、しっかりダシを取れば鍋物のスープとしてもおいしくいただけます。
魚のアラは、そのまま捨ててしまえばごみになってしまいます。しかし、スープを炊く時に使えば立派な“食材”です。しかもスープを取った後のアラは身が細り、廃棄の量を減らすことができます。今度魚を購入した時は、アラでおいしいスープを取り、自家製“モッタイナイ”メニューを作って食卓を彩ってみませんか?

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