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角田で聞いたおいしい「野田鴨」の話

野田鴨

鴨を知らなきゃ、モッタイナイ

鴨南蛮や鴨鍋など、古くから日本の食卓で愛されてきた「鴨」。最近では、仙台の冬のグルメとして定番となっている「せり鍋」に欠かせない食材としても重宝されています。

今回は、そんな注目食材の鴨を宮城県角田市で育てている佐藤善貴さんを訪ねました。
鴨の生産を始めたのは、佐藤さんのお父さんの代で、今から40年ほど前にさかのぼります。その前までは、鶏の一種、成長の早いブロイラーを育てていましたが、「暑さにも寒さにも強い鴨にしよう」と、鴨を育てることになりました。
飼育しているのは、野生の鴨ではなく「チェリバレー種(合鴨)」。北京種をイギリスで改良したもので、日本で一般的に流通する品種です。基本的には、脂身に甘味とコクがあって、肉質も繊細で日本人好みの味わい。ですが、その味は各生産者によって異なるのだとか。「合鴨は、食べている餌で味が変わります。どの生産者も独自のノウハウで配合しているんです。うちは、酵母菌や乳酸菌などで発酵させた飼料を与えています。肉質は柔らかくなって臭みも減り、病気を抑えることもできるので抗生物質の使用を減らすことができるんです」と教えてくれました。

“モッタイナイ”が、地域循環型一次産業に

現在は、1万羽ほどを育て、毎日出荷しているそうで「飼育日数は70日。これよりも日数が経つと肉がかたくなり、それよりも日が浅いと味がしっかりしません。一番バランスがいいのが70日なんです」と。

この飼育期間中に出る鴨の糞は、近隣の農家がたい肥として利用しているそう。そして、農家からは鴨が暮らす小屋に敷くもみ殻を分けてもらっています。生産過程で出る廃棄物を、お互いが有効活用できている「地域循環型」を実現しています。
さらに佐藤さんは、4年ほど前から自分たちで育てている鴨を「野田鴨」としてブランド化しました。その背景について佐藤さんは「これまでは、東京の卸業者さんとだけの取引だったのですが、次第に近隣の飲食店さんから“使ってみたい”と引き合いがありまして。飲食店さんとの取引が増えていく中で、ほかと差別化するために昔からのここの地名を取って“野田鴨”としたんです」と話します。

丸ごと使わなくちゃ、モッタイナイ

鴨は、実は無駄にする部分があまりない食材。モモやムネなどの可食部分はもちろん、あまり出回らないモツやタンも「鶏より味が濃い」と言われ、希少部位として食べられています。さらに、卵はピータンになるし、骨(ガラ)はラーメン店などでダシを取るために使われます。そして、羽は羽毛として活用されています。

大切に育てた鴨は、「なるべく廃棄しないように努力をしていますし、食べられるところは食べてほしい」。そして、肉の需要に比べ内臓やガラはまだまだ未開拓。たくさんの注文はさばけませんが、「分けて欲しいという声があれば出来る限り対応します」とのこと。
佐藤さんに、おススメの食べ方を聞きました。「脂がおいしいので、それを余さずに利用できる鴨鍋や鴨南蛮、あとはねぎと一緒に“ねぎま”にして焼き鳥にしてもおいしいです。我が家ではただ焼いて食べることも多いかな」。
角田市内、仙台市内の飲食店のほか、みやぎ生協でも取り扱いがあるという佐藤さんの野田鴨(*)。みなさんもぜひ、このおいしさを体験してくださいね。


*みやぎ生協では、宮城県産合鴨として販売されています。

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