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文化横丁に「アメリカングリル」あり

文化横丁を、そして仙台を代表する洋食店『アメリカングリル』。ビルの老朽化を機に2017年の冬に本店は一番町4丁目へと移転しましたが、「やっぱり文化横丁が好きで」と2018年の6月、3代目である鈴木辰典さんがかつての店からちょっとだけ西に場所を移し、『アメリカングリル文化横丁支店』をオープンしました。初代マスターの鈴木七郎さんが進駐軍の将校クラブでコックさんをしていた時代から、2代目の伸治さん、そして3代目の辰典さんへと引き継がれた料理の数々は、仙台に暮らす多くの人々の洋食の原点。オムライスにハヤシライス、カレーライス、ポークカツにナポリタンといった面々が、変わらぬおいしさで迎えてくれます。

■伝統の味を守りつつ、文横支店だけの魅力をプラス

▲オーナーシェフの鈴木辰典さんは「アメグリ」3代目

とはいえ、「何から何まで本店と同じでは2つお店がある意味がない。本店が永遠のスタンダードとして愛されるなら、支店はちょっとやんちゃに、本店にはない楽しみかたの提案を」。そんな思いから、辰典さんが愛してやまないロック、そしてハードロックのファクターをフロアに展開。食事としてはもちろん、お酒のおつまみとしても楽しめる洋食メニューを増やし、深夜まで賑わうビストロスタイルでの営業となりました。ドリンクと好きな料理数品をチョイスできるセット(1000円~2000円)が人気でお得。それでも〆にはオムライスやナポリタンをオーダーする人が多いのも、この店ならではの光景です。

▲この日の日替わりランチは「ポークカツ」(850円)。中挽きの生パン粉でふんわりくるみ、ラードで香ばしく揚げたカツレツにデミグラスソースをたっぷり。コーンスープのファンも多い。

金の縁取りのあるお皿に、メインディッシュがどーん。傍らには、コールスローやマカロニサラダ。これが『アメリカングリル』のスタンダード。しかし、支店のお皿はこちらもひと味違います。大根やラディッシュの葉や皮、茎を使ったガルニ(付け合せ)は、親しみやすいおひたしや和え物、お新香のような顔をしていながら、きっちりと洋食仕立て。ドミグラスソースやケチャップ、ホワイトソースで味わう逸品の箸休めとして、とても有能な働きをしてくれる味です。これは、辰典さんが惚れ込む三浦半島の野菜を丸ごと味わう工夫によって生まれた文横店ならではのもの。

三浦半島から届く無農薬栽培の野菜をすべて使って

「いま使っている野菜は、三浦半島の農園から送ってもらったもの。実は、祖父の時代のお客さんが三浦半島に移住し、その息子さんが野菜をつくっているんです。仙台に来る機会があった時にうちの店に寄ってくださって、そこからまたご縁が繋がりました。無農薬栽培でつくっていて、かたちや大きさも不揃い。それでも無農薬でしかつくりたくないから、市場へは出していないという野菜を、ご厚意で送ってもらっています。どんな大きさでもかたちでも、まったく構わないから、と」

そう言って辰典さんが見せてくれたのは、驚くほどに大きなラディッシュ。
「大きいでしょ?三浦大根は言うに及ばず、三浦半島の温暖な気候と肥えた土は良質で大きな根菜類を育てます。葉っぱの部分もとてもおいしいので、“葉っぱもそのまま送ってください”とお願いしています」
そうして届いた葉付きの大根やラディッシュは、届いたらすぐに葉の付け根の部分で切り落とします。葉をつけたままにしておくと、根から葉へ養分を送り続け、せっかくの瑞々しさが失われていくからです。大事なのは、葉の根元を根の方に残さないこと。根元より少し下の方でカットするようにしましょう。

大根は、葉っぱも茎も皮も、モッタイナイ!すべてそれぞれにおいしく味わえる、常備菜としてもおすすめの大根3品を教えていただきました。

大根の葉の炒め煮

大根の葉はよく洗ったのちに氷水に晒し、ザルにあけてよく水分を切ります。ここで硬い茎の部分と柔らかい葉&茎の上部とに分けておきましょう。柔らかい葉と上部は小口に刻んだらオリーブオイルでざっと炒め、塩、胡椒で味を整えます。コンソメキューブを砕いたもので味付けするのもおすすめ。香りづけに胡麻油を少々加えて仕上げます。
「いわゆるお晩菜料理の応用ですが、コツは葉っぱの水気をよく切ること。サラダスピナー(サラダの水切り器)があれば便利ですね」

・大根の葉 1本分
・オリーブオイル 小さじ2
・塩、胡椒 適宜
・胡麻油 適宜

切り干し大根のカレー炒め

剥いた皮はザルや干物用ネットなどに並べ、昼間は天日に干し、夜は湿気を吸わないように取り込みます。3~7日ほどで完全な切り干し大根になりますが、もっと短くても独特な歯ごたえに。完全に水分が抜けたものは冷暗所か冷蔵庫で2~3ヵ月保存が可能なので、ジップロックなどに入れて保存しましょう。完成した切り干し大根は水かぬるま湯で戻し、ぎゅっとしぼってオリーブオイルで炒めます。味付けは塩、醤油、みりん、砂糖で整え、ガラムマサラとバジル、オレガノをアクセントに加えます。
「キッチンや冷蔵庫にある、皆さんがいつもカレーに使っているスパイスを試してみてください。お馴染みのあの小さな赤い缶のカレー粉でもOKです。醤油は、カレーとの相性がとてもいいんです」

・大根の皮の切り干し 1本分
・オリーブオイル 小さじ2
・塩、黒胡椒 適宜
・醤油 大さじ2
・みりん 大さじ2
・ガラムマサラ 適宜
・バジル、オレガノなど 適宜

大根の茎のピクルス

先ほど残しておいた大根の茎の部分は、適度な長さに切り揃えてピクルスに。ピクルス液の酢と水の割合は1:1が基本です。酢と水が100㏄に対し、砂糖は大さじ3を目安にお好みで増減を。辰典さんはここに30㏄ほどの白ワインを加えて煮切ります。
「白ワインは、酢の香りと味をまろやかにします。私はシンプルな仕立てが好きなのでこれだけですが、お好みでローリエやバジルを加えてもおいしいですよ」
瓶などで大根の茎がピクルス液に浸るように漬け込み、一晩経てば食べ頃に。

・大根の茎 1本分
・米酢 100㏄
・水 100㏄
・白ワイン 30㏄
・砂糖 大さじ3
・塩 小さじ1

ラディッシュの葉のおかか和え

そしてもう一品、今日届いたばかりのジャンボラディッシュの葉は、塩ゆでにして水気をぎゅっとしぼり、醤油と鰹節で和えて。これだけだと完全に和の味わいですが、辰典さんがここに加えたのはナッツオイルと擦り胡麻、ブラックペッパー。香ばしさと甘み、ピリッとした刺激が加わり、いつものおかか和えが途端に違った表情に。
「野菜の料理にこそ、オイルはとても重要なファクター。コクを加えてくれるのはもちろん、どんなオイルを使うかで料理の方向性が変わります。例えばここに胡麻油を使えば、皆さんご存知のナムルに。オリーブオイルと動物性の油脂である粉チーズを使えば、ワインにもぴったりの味わいになります」

・ラディッシュの葉 1束
・鰹節 小分けパック1袋分
・醤油 小さじ2
・ナッツオイル 適宜
・黒胡椒 適宜

祖父母から学んだ「モッタイナイ」の気持ち

「大根や長芋は、ヒゲ根を火にかざして焼き切って皮ごと調理するのもおすすめ。人参の皮やリンゴの皮、タマネギのおしりの部分などは冷凍してとっておき、ある程度の量がたまったら一度にゆでてジューサーなどでペーストにしてカレーやシチューに使えば、とてもいいコクが出ます。私が食材を「モッタイナイ」と思うのは、小さい頃、店の切り盛りに忙しい両親に代わって私を育ててくれた祖父と祖母の影響かもしれません。とにかく、工夫すれば食べられるものを捨てたくない。おいしい野菜を作ってくれる生産者さんのためにも、すべて使いきる、食べきることを目標にしています」

黒板にはメニューがぎっしり。壁にはロックファン垂涎の名盤や貴重なギター、ポスターなどが。

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